「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
など時代を超えて愛される文学作品は書き出しも魅力的です。
今回は有名な文学作品の書き出しだけで作品名を当てるクイズに挑戦してみてください。
【例題】
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
(答え)『吾輩は猫である』夏目漱石
よければ最後までお付き合いください。
初級編
問題1
【問題】
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
『雪国』川端康成
問題2
【問題】
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
『人間失格』太宰治
問題3
【問題】
「おい地獄さ行ぐんだで!」
『蟹工船』小林多喜二
問題4
【問題】
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
『草枕』夏目漱石
問題5
【問題】
どっどど どどうど どどうど どどう
『風の又三郎』宮沢賢治
問題6
【問題】
ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。
『蜘蛛の糸』芥川龍之介
問題7
【問題】
それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった。
『風立ちぬ』堀辰雄
問題8
【問題】
隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。
『山月記』中島敦
問題9
【問題】
えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。
『檸檬』梶井基次郎
問題10
【問題】
私はその人を常に先生と呼んでいた。
『こころ』夏目漱石
中級編
問題11
【問題】
半年のうちに世相は変った。
『堕落論』坂口安吾
問題12
【問題】
あわただしく、玄関をあける音が聞えて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅にきまっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。
『ヴィヨンの妻』太宰治
問題13
【問題】
朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」と幽かな叫び声をお挙げになった。
『斜陽』太宰治
問題14
【問題】
うとうととして目がさめると女はいつのまにか、隣のじいさんと話を始めている。
『三四郎』夏目漱石
問題15
【問題】
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
問題16
【問題】
二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
『注文の多い料理店』宮沢賢治
問題17
【問題】
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
『方丈記』鴨長明
問題18
【問題】
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
『土佐日記』紀貫之
問題19
【問題】
医者は探りを入れた後で、手術台の上から 津田を下した。
『明暗』夏目漱石
問題20
【問題】
これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。
『ごん狐』新美南吉
上級編
問題21
【問題】
蓮華寺では下宿を兼ねた。
『破戒』島崎藤村
問題22
【問題】
小石川の切支丹坂から極楽水に出る道のだらだら坂を下りようとして渠は考えた。
『蒲団』田山花袋
問題23
【問題】
敬太郎はそれほど験の見えないこの間からの運動と奔走に少し厭気が注して来た。
『彼岸過迄』夏目漱石
問題24
【問題】
私は今年三十九になる。人世五十が通相場なら、まだ今日明日穴へ入ろうとも思わぬが、しかし未来は長いようでも短いものだ。
『平凡』二葉亭四迷
問題25
【問題】
石炭をば早や積み果てつ。
『舞姫』森鷗外
問題26
【問題】
「こう爺さん、おめえどこだ」と職人体の壮佼は、そのかたわらなる車夫の老人に向かいて問い懸けたり。
『夜行巡査』泉鏡花
問題27
【問題】
かの女は、一足さきに玄関まえの庭に出て、主人逸作の出て来るのを待ち受けていた。
『母子叙情』岡本かの子
問題28
【問題】
堀川の大殿様のやうな方は、これまでは固より、後の世には恐らく二人とはいらつしやいますまい。
『地獄変』芥川龍之介
問題29
【問題】
古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云うことを記憶している。
『雁』森鷗外
問題30
【問題】
後の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。
『野菊の墓』伊藤左千夫
まとめ
皆さまお疲れ様です。
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