こんにちは。
ちゃんあさです。
こちらの記事では私が個人的にオススメものを紹介していこうと思います。
第一回目はオススメの「小説」です。
【東京タワー】大学生にこそ読んで欲しい。江國香織の恋愛小説
私は中学生のころから人よりも多くジャンルの小説を読んできたと自負しております。
今回は私が個人的に恋愛小説の最高傑作だと思っている小説をご紹介しようと思います。
江國香織さんの 『東京タワー』です。
映画化もされ既にご存じの方も多いのではないでしょうか。
もし映画しか観ていないという方がいたら是非小説を読んで欲しいです。
『東京タワー』あらすじ
ジャンルは恋愛。
恋愛の中でもこの作品は 人妻と大学生の「禁断の恋」を描いています。
物語は対照的な2つのカップルに焦点を当てて描いています。美しい愛に溺れるカップルと欲望に溺れるカップル物語は対照的な2つのカップルに焦点を当てて描いています。
美しい愛に溺れる透と詩史。
欲望に溺れる耕二と喜美子。
どちらも不倫という関係には変わらないのですが、物語の展開は大きく異なります。
詩史の魅力
この小説でなんとも魅力的なのが人妻の詩史の存在です。
詩史は、無邪気であり大学生の恋愛への情熱をうまく受け流す余裕さを兼ね備えた魅力的な女性です。
この小説の中で詩史が口にするセリフは全てが恋愛の本質をついているような気がします。
一部ご紹介します。
「知ってる?でも私はあなたの未来に嫉妬してるのよ」
出典:『東京タワー』著者 江國香織 新潮社
「会いたかったわ。」
「私が、というより、私のなかの誰か別な女が、ひどくあなたに会いたがってた」
「そうそれが頑固で野性的な女なの」
出典:『東京タワー』著者 江國香織 新潮社
「孤独ぶりたがりのティーンエイジャーとはちがうから、私はもう一人ではいたくないの」
出典:『東京タワー』著者 江國香織 新潮社
この小説で一番好きな表現
そしてこの小説で私が特に素晴らしいと思った表現が以下の文章です。
『フラニー』の大きくて重い扉をあける瞬間、透はいつも緊張し、同時に爆発的に高揚する。
出典:『東京タワー』著者 江國香織 新潮社
『フラニー』というのは透と詩史がいつも待ち合わせに使っていたバーの店名です。
詩史は人妻でありつつもセレクトショップを経営しており頻繁に透と会うことはできません。
つまり透は詩史から連絡が来たときにだけ会うことができます。
透からしたら、会いたくて仕方がない人が扉を開けたらバーのカウンターに座っているのです。
だからその『フラニー』に入る瞬間、重い扉を開けるとき 「爆発的に」高揚するのです。
この「爆発的」という表現が私は素晴らしいなと思いました。
皆さまも経験したことがありますか?
好きな人が待っている空間に行くときの心臓の高ぶりを。
江國香織さんはその急激な高ぶりを「爆発的」と表現したのです。
20歳ほど年上の詩史に釣り合おうと精一杯大人ぶっている透の心の中は
まるで初恋のように気持ちが高ぶっていることがこの文章でわかるのです。
天才的な表現だと私は思いました。
おわりに
いかかでしたか。
この小説には恋愛のすべてが詰まっているといっても過言ではないと思っています。
もしお時間があれば是非読んでみてください。